第19話「全盲の親戚の爺さん」 @百物語2011本編
著:色々諦めたロドリゲス ◆pbbxR7EI3w
「全盲の親戚の爺さん」
小学校3年生の夏休み、母の田舎である長野に行った。
親類の家に泊まるのだけど、そこに「全盲」のお爺さんがいた。
爺さんは全盲ではあるけど何十年とそこに住んでいるので
杖さえあれば近辺の散歩などは当然軽いものだったが、
「ほれ、見ろ、そこにカエルがいる」
「屋根の上に猫がいるな」
など、「全盲」では判らないはずのものを指摘していた。
しかもそれは、夜での出来事だった。
【完】
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