第40話「冷たい」 @百物語2011本編
著:ゆあ ◆96j0kyRRhEF2
冬の出来事。
私は仕事を終え、お風呂に入ってベッドに潜り寝て居ました。
寝返りを打とうと足を右側に伸ばしたら、足にあたって
その足がすぐに引っ込みました。
起こしちゃったと思って「あ、ごめん」って言おうとした時、気づいたんですよ。
私、一人暮らししてるんです。当然一人で寝てたんです。
何か、壁に当たったのを勘違いしているんじゃないかと思ってもう一度、怖いけどもう一度
さっきの場所に足をやってみたんです。
もちろん、布団以外にあたるものなんてありませんでした。
私のベッドはセミダブルベッドです。だけど私はもう、かなり前からの癖で左側ぎりぎり、
落ちるか落ちないかという場所で寝るという癖がついています。
あたった足はとても冷たかった。とっさに布団とっちゃってたのかな、あっためてあげようかな…
とまで思ってしまいましたが、無くなってくれていて、良かったです。
それから起き上がるまでに時間がかかりました。
だって、もしバラバラの手足なんかが布団のどこかから出てきたら、嫌ですから。
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