第99話「操り人間」 @百物語2011本編
著:あかヰほくろ ◆zhUkpZ4lCM
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友人Dと霊感持ちのKの話です。
Kが霊感があるのはみんな知っていました。そこでDがある霊体験をKに相談したのです。
Dの体験というのは随分前から金縛りにあっていて、その夜も金縛りが始まったそうです。
でもその夜はいつもと違って自分の手足がぶらんぶらんと勝手に動くのだそうです。
身体はベッドに張りつけられた様に動かないのに、まるでひっくり返った昆虫がもがく様に
自分の意思に反して動き続ける手足。
Dは目も開けられて、首も動かせたので、自分の身体のありえない様子を驚愕しながら
見ていたそうです。
Dの話を聞いたKが一言「生霊だね」
私は二人の話を聞いていて『生霊って怖いというけど、本当にそんな事になるんだ』と
びっくりしました。
そしてDはこれからどうしたらいいんだろうと思ってまた、話に耳を傾けました。
D「俺もいろいろ考えたんだけどさ、思い当たる節があって…」
K「うん、わかるよ。D君が理解して自分で解決しようと考えてるのもわかる。
だからきっともう金縛りに合う事もないよ」
さすがのK。Dの思いも今後もわかるんだ。
私は感心しながら明るく笑っているDの顔を見て安心しました。
そして私はKに言いました。
「生霊かぁ〜私はどっちかっていうと飛ばしそうだな」
…笑って流してくれるかと思ったのにK曰く「うん、それはありえるね」
私「えええ〜マジでえぇ〜!?」
3人で大爆笑でした。
「完」
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