第4話「通勤列車」 @百物語2011本編
著:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
知人A氏が約20年前に体験した出来事です
当時、某関東圏に勤めていたA氏はその日の朝もいつものように通勤快速で出勤していました。
すると突然乗っていた列車が途中で停止したのです。
直後に「只今、人身事故発生により運転を見合わせております。しばらくお待ちください」
と、アナウンスが流れました
「冗談じゃないよ。なんでよりによってこんな時間に・・・・」
「遅刻するじゃねえか!何やってんだよ!!」
「サイテー・・・」
列車内はさまざまな文句、不満などであふれ、嫌な雰囲気のまま数十分が過ぎました。
と、乗っていた車両の床下から何か硬いもので叩くような音がその車両内に響き渡ったのです
それまでうるさかった車内は一瞬にしてシン・・・・と静まり返り
停車駅に到着するまで、誰一人一言も声を発することはありませんでした。 【終わり】
次