第59話「死んでしまえ!」 @百物語2011本編
著:BIGGOD ◆FXm8E9Lrd9Ak
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題名「死んでしまえ!」
プルルルルルル
プルルルルルル
「はい?何ですか?」
知らない番号からの電話。セールスマンの声を予想していた私は、
向こうの無邪気な声にほっとした。
『いまどこぉ?』
イタズラ電話かと思ったりもしたが、相手はまだ小さい女の子のようだ。
どうやら、家族か何かに現在地を教えてもらおうとし、番号を間違えたのだろう。
「あら、どなたかな?」
答えると、女の子は言った。
『ねぇ、いま、どこにいるのぉ?』
・・・聞こえてなかったのだろうか。
「ごめんねぇ、番号まちがってるみたい、じゃあね。」
子供への接し方が分からない私は、適当に済ませようとした。
『あたし、まこちゃん。』
受話器を切ろうとした所で、女の子は言った。
『いま、どこぉ?』
「まこちゃん・・・、まちがえてるわよ。」
『あなた、だれぇ?』
・・・。ずぅずぅしい子だと、私は少し腹を立たせ、答えた。
「うちは柴田ですよ。」
これでようやく、間違いだと気付いてくれる。
『・・・・。』
なのに、女の子は黙ったままだ。
『・・・・アッテルジャナァイ・・・・?』
急に恐ろしい声に変わったのに驚いて、私は受話器を放り投げてしまった。
『………』
受話器からは何も聞こえない。
もう相手はきってしまったのか・・・・・。
おそるおそる、受話器を耳に当てた・・・・・・
『 死 ん で し ま え ! 』
ビックリして、恐ろしくなった私は、友人の家に行こうと外へ飛び出した。
キキィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!
ドカン
終わり。
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