第98話「一緒においで」 @百物語2011本編
著:パンドラ
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これは疲れているときに電車で遭遇した話です
「一緒においで」
皆さんは電車に乗るときつり革とか椅子に座ったりすると思います。
私はそのときつり革につかまってのっていたんです。
目の前に窓があってそこから水滴が落ちているのをみかけたんです。
「えぇ・・雨降ってんのかよ・・・傘ないんだよなぁ・・・」
そんなことを思っていたんです
音楽を聴きながらテンションあげようとしてプレーヤーをつけようとしたとき、
ふと、目の前の窓をみたんです。
そこには、透明とは程遠い赤黒い液体がツーッっと流れていたんです。
今思えば多分それは血だとおもいます。
気持ち悪くなって、見ないようにしました。
トンネルに入るとそれも暗がりで見えなくなって
安心していたんです。
トンネルをでてから顔を上げてみると、
そこに、女の上半身が見えていたんです。
血走った目で私をにらみつける様はまさに鬼のようでした。
でも回りは何の反応も示さないんです。
怖くなって一つ前の駅で降りたんです。
まあ、結局家まで歩くことになったんです
長い道を歩いていると、ボーっとしていたせいか人にぶつかったんです。
女の方だったんですが、まるでぶつかったことがなかったかのように、普通に立っていたんです。
謝罪したんですが、まったく反応は返って来ず、気味が悪くなって帰ったんです。
また歩いていると人にぶつかって、見たらさっきぶつかった女の人だったんです。
完全にビビッて家に駆け込むようににげたんです。
家に入って塩を玄関にぶっ掛けたんです。
これで安心と思って自分の部屋に入ってPCの電源をいれると、スタート画面が出た瞬間、
PCの電源が落ちました。 ブレーカー見てみたんですが、普通に動いていました。
自室に戻ってPCの電源をいれましたが、やっぱり付きません。
画面を覗くと自分の顔が映っています。
その横にさっきの女の人が映っていました。
その女は私に笑顔で
「一緒にくるか?」
と話しかけてきました。私はおびえながら拒否しました。
その瞬間鬼ともいえるような形相になり、私を睨みながら自室を出て行きました。
あいつは一体なんだったのでしょう?
もしかしたら家にまだいるのかもしれません
【完】
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